クラウ・ソラスの輝き

「……どなた?」

 女性の声が少し震えているように聞こえた。

「護衛を頼まれてた者です」

 微笑んで気さくな態度を見せるベリルにダグラスは苦笑いを浮かべた。

 相手に警戒されないためとはいえ、普段は見せない姿に可笑しくなる。

 こんなベリルもたまにはいいかなと思った。

「本当に……?」

「はい、本当です」

 ベリルの隣にいたダグラスが気さくな笑みを浮かべて答えた。

 少年は百七十四センチのベリルに身長が近付きつつある。

 セシエルから受け継いだ「天使の微笑み」は絶大な効果を発揮したようで、女性は静かに入り口を開いた。

 子どもが一緒だという事も相手の警戒心を和らげた理由の一つなのだろう。