──ダグラスは授業が終って気持ちの変わらないハリーにせがまれて仕方なくベリルに電話をかける。
「これから友だち連れていくけどいい?」
<構わんが>
「じゃあそういうことでよろしく」
通話を切り、心配そうに見つめているハリーにウインクした。
「ダグ! 彼を家に呼んだの!? あたしも行きたい!」
喜んでいるハリーの後ろから女生徒の黄色い声がけたたましく響いた。
「わたしもっ!」
「私も!」
瞬く間に女生徒たちに囲まれて、巻き込まれたハリーは嬉しいやら恥ずかしいやらでおろおろする。
「男同士の話だからまた今度ね」
「ええ~?」
女生徒たちは残念そうにしながらも、ダグラスの笑顔に口元を緩ませた。
ダグラスは今まで一度も女子を家に招いた事がない。
ベリルを見た女生徒が学校で噂にすると面倒だからだ。
ハリーはその様子に最強の笑顔だなあとあっけにとられていた。



