クラウ・ソラスの輝き

「やればそれは経験になるけど、やらないのは後悔にしかならない。一番大切なのは、経験を積んでいくことだよ」

「経験か」

「それで死んだとしても、やらないでずっと心にしこりを残すことよりも何倍もいいと思うな」

 死んだらそこで終わりだし、気にする必要も無くなっちゃうしね。

 肩をすくめて微笑むダグラスから視線を外しハリーは空を見上げる。

「そうだね。君の言う通りだよ」

「──ってベリルが前に言ってたんだ。知り合いの子どもが将来の進路にうだうだ言ってた時に」

 それを思い出し、ついハリーに語ってしまった。

 ベリルの話はもっともだと思うし、僕だって後悔し続けたくはない。

 もちろん、ベリルは相手によってちゃんと言うことを変えている。

 全ての人が同じ言葉で納得するはずがないと知っているからだ。

 でも、誰にどの言葉が有効かなんて確実に解る訳じゃない。

 最終的には予想と賭けで話すしかない。