クラウ・ソラスの輝き

「ハリーが恐いのは、親に反対されることじゃない。自分のなりたいものを目指すことだ」

「──っ!?」

 静かにゆっくりと、しかしはっきり紡がれた言葉にビクリとした。今までそんな風に考えたことなんてなかった。

「親に反対されたとき、正直少しホッとしただろ。だから、僕の言葉にカッとなった。違う?」

「それは……」

 心を見透かすような瞳に喉を詰まらせる。彼の言葉を否定出来ない自分がいる。

「恐いのは解るよ。成功するかどうかなんて解らないんだもの。もしかしたらそれで命を落とすかもしれない」

「うん」

 そうだ、失敗は怖い。親に反抗して失敗したら「それみたことか」と言われることは凄く怖い。

「でも失敗して後悔することよりも、やらないことの方が絶対に後悔は大きいよ」

「そう……なのかな」

 か細く応えるハリーに小さく頷いた。