クラウ・ソラスの輝き

 こうして一人で考えていてもらちがあかない。

 今まで悩みを話せる友達なんていなかったけれど、彼ならいい答えを教えてくれるんじゃないだろうか。

 でも、あんな経験を聞いてしまっては、自分の悩みなんて馬鹿にされるかもしれない。

「俺さ、ヨットレーサーになりたいんだ」

 ダグラスから視線を外し、ぼそりとつぶやいた。

「お、カッコイイじゃん」

「でも、オヤジもおふくろも許してくれなくて……。お前は体力が無いんだから無理だって」

「そりゃそう言うだろうね」

 しれっと応えたダグラスの言葉にカッとなるが、すぐに頭を膝に埋めて肩を震わせた。

「そんなの解ってるよ。でも──」

「諦めたくないんなら目指せばいいじゃん」

「簡単に言うなよ!」

 声を荒げるハリーに小さく溜息を吐き出し、同じように膝を抱える。