クラウ・ソラスの輝き

「あっ、ベリルってニックネームね。目の色が緑色だから」

 ダグラスは慌てて自分の目を指差して付け加えた。

 仮名のスロウンなんてほとんど口にした事がないため忘れがちだ。

「それでそんなに鍛えてるの?」

 余分な脂肪の無い体型は年相応よりも引き締まっているように感じられる。

 見た目も良いせいか、他校にもグルーピー(過激系の追っかけグループ)がいるほどの人気だ。

「ん~? そうでもないよ。若い時に無理すると後でガタが来るから軽いスポーツ程度にしとけって言われてるし」

「そうなの?」

「スポーツ選手は短命だろ? 長生きするには、ほどほどがいいんだってさ」

 結構、物知りなんだなとハリーは感心した。

 そういえば彼は、クラスでも一二を争う成績なんだった。