クラウ・ソラスの輝き

「そうだけど、なんでそんな考えが出来るの?」

 何もなければそんな考え方も出来るかもしれない。

 だけど、ダグラスはそれを経験している。

 それでもなお、そう考えられる事にハリーは目を疑った。

 ダグラスは一度、ゆっくりと目を閉じて空を見上げる。

「一番憧れてた人が凄い人だったから」

 あんな人がいちゃ、諦めてなんかいられないよ。

 ハリーはダグラスの横顔がとても大人びて見えて沈黙した。

「まあね~。確かに初めのうちは、ちょっとばかし心に傷を負ってたせいか反抗してた時期もあったけど。それもちょっとだけだよ」

 片眼を細めて指で示す。

「養父の人、よく許してくれたね」

「ベリルも傭兵だから。ちょっと嫌そうだったけどね」

「へえ」

 その声色と表情で憧れていた人がその人なのだとハリーはすぐに察した。