「そういうの偏見っていうんだぞ~」

 ダグラスは笑いながらハリーの隣に寝ころんだ。

 ハリーはそれに少し驚いて顔を向けたが、すぐに目を反らす。

「いいからほっといてよ」

 今まで大して会話らしい会話なんかした事もないクラスメイトに話すことなんてないと言わんばかりに冷たくあしらう。

 ダグラスは明るくクラスでも人気者だ。

 いつも誰かが常に近くにいるし、女子からはよく告白されている。

 そんな相手に自分から声をかけられるはずがなく、ハリーはいつも遠くから羨ましさや妬みの入り交じった感情でダグラスを眺めていた。

 声をかけてくれたのは嬉しく思う反面、ただの興味本位ではないかと勘ぐりもしている。