「あまり彼女を困らせるな」

「はーい」

 レイチェルと別れてベリルに追いついたダグラスは生返事を返す。

 彼はそれに小さく溜息を吐いて帰り道にあるスーパーマーケットに立ち寄った。

「こないだ買ったように思うが」

 カートに投げ込まれた商品に眉を寄せる。

「成長期ですから」

 投げ入れられたのは特大サイズのポテトチップスとポップコーン。

 ピーナツチョコもプラスされた。

 当惑しながらも目当ての食材をカートに乗せていく。

 バランスの良い食事をと考えて基本は日本食だ。

 しかしダグラスは欧米人であるため日本人とは体の構造が異なる。

 それを考慮したうえでの料理をベリルは毎日のように思案していた。

 旨味の感覚が鈍いとされる欧米人だが、薄味が基本の日本食でそれが目覚めるともいわれている。

 そうして二人は買った食材を抱え家路についた。