クラウ・ソラスの輝き

 ベリルの事は前校長の知るところであり、現校長は別の街から新しく赴任してきた。

 前校長からは引き継ぎの時に特殊な人物について聞かされていたが、まさかその弟子が転入してくるなどとは思ってもいなかった。

 この街にもベリルにも慣れていない校長はダグラスが傭兵の弟子をしている事も、ましてや養父であるベリル自身が傭兵であるという事も隠す事にした。

 隠しておきたい気持ちは理解出来る。

 だからベリルはそれに抗議はしなかった。

 今更、暴露したところで退学には出来ないだろうと全てはダグラスの計画通り。

 ベリルは無言で少年を横目で睨み付けた。当のダグラスはしれっと肩をすくめてみせる。

「養父であるあなたの意見もよく解りました」

 レイチェルは納得し、全ては彼に任せようと三者面談は幕を閉じた。