クラウ・ソラスの輝き

「──っそうですね」

 淡々と語られる言葉の中に感じられる重みに喉を詰まらせる。

 この人は、どれだけの悲惨な状況を経験してきたのだろう。

 きっと、私が考えているような仕事をしている人ではないのだと胸を痛めた。

「仲間は必要だ」

「ええ、そうです」

 切なげに頭(こうべ)を垂れる。

 この人はダグラスが同じ道に進む事を望んでいない。

 本当は遠く離れても幸せな生活をと望んでいたに違いない。

 それが彼の苦い表情から読み取れた。

 ダグラスにもそれ相応の覚悟があっての決意だという事にようやく気付いた。

 ただの憧れの言葉なんかじゃなかった。

 養父の背中を見て彼はしっかりと決めていたのだ。

 担任である彼女がどうして今まで知らなかったのかは、学校側がダグラスについて伏せていたからだ。