クラウ・ソラスの輝き

 悪ガキめ……。

 ベリルは右手で顔を覆い小さく溜息を吐いた。

「彼の言った事は気にしないでくれ」

「す、すいません」

 彼女はすっかり小さくなってベリルの顔もまともに見られなくなってしまった。

「確かに厳しい仕事だ。時には命の奪い合いにもなる」

「……ええ」

 ゆっくりと語られる声に静かに見上げる。

 優しい眼差しに怒っていない事を知り安堵した。

「彼は私の後ろを歩く」

 その言葉にハッとして、思わず合わせたベリルの瞳に引き込まれる。

「あなたも現実は知っているだろう。私一人でどうにか出来るほど優しくはない。それほどに世界は大きすぎる」

 一人が出来る事などたかが知れている。

 協力しあう事で人は文明を築き上げてきた。