クラウ・ソラスの輝き

「彼は将来──」

「傭兵になりたいと言っているのだろう」

 レイチェルはその態度にも驚いた。

 知っていて、どうしてそんなに落ち着いていられるのか。

「いいんですか!?」

「彼がそう望むのだ、反対する権利は私には無い」

 彼女は「信じられない」といった表情を浮かべる。

「いくら養父でも、子どもをきちんと育てる義務があります!」

「それって傭兵がきちんとしてないってこと?」

「えっ」

 しれっと問いかけた少年にレイチェルは体を強ばらせた。

「よせ」

「だってねぇ。父親の職業に難癖(なんくせ)付けられたら誰だって怒るでしょ?」

「えっ!?」

 レイチェルはベリルを凝視した。

 言ってしまった言葉はもう消す事は出来ない。

 どうしていいのか解らなくなり体が震えた。