クラウ・ソラスの輝き

「ダグラスの将来についてなのだが」

「は、はいっ」

 声を裏返した女性にベリルは何をそんなに慌てているのだろうと若干、眉を寄せた。

 ハイスクールに入学する時に本来なら顔合わせするものだが、ベリルとレイチェルは会っていない。

 ベリルが挨拶のために校内に入ってすぐ、緊急の依頼がきてそのまま引き返したためだ。

 ダグラスはこの時に、初めてベリルを目にする女性教師の反応は面白いかもと楽しみにしていた。

「この子の自由にさせている」

「し、しかしですね──っ」

 レイチェルは思わず立ち上がった。

 この人はダグラスが何を言っているのか知っているのかと言いたげな顔だ。