──朝、ダグラスは朝食を作っているベリルに言い忘れていた事を伝えた。
「三者面談?」
「職業について聞かれたから答えたら親呼んで来いって」
ベリルは溜息を吐き出して頭を抱える。
親として学校に行く事にではなく、彼がなんと答えたかが解るからだ。
教師がどういう反応をするかを楽しんで答えたに違いない。
ある意味、正しくベリルの性格を受け継いでいるとも言える。
「大学だけではいけなかったのか」
「飛び級するだろ? だから、大学のあとはどうするんだって訊かれたの」
再び溜息を吐くベリルに少年は笑って付け加える。
「担任の教師は女の人だからベリルなら大丈夫だって!」
行ってきまーすと言い残し家を出てスクールバスが停留する場所に駆けていった。
「どういう意味だ」
相変わらず鈍いベリルは眉を寄せた。



