「そう考える方が妥当だろう」

「でも、なんでそれをベリルに?」

 考えている事はあるがまだ決めかねているのだろうか、ベリルはその質問に沈黙した。

 それを察した少年は食べる事に集中する。

 ベリルの考えを邪魔することは今後の作戦にも支障を来(きた)す。

 何よりも半人前の自分がこの時点で意見することは何もない。

 ──夜食を美味しく食べ終わったダグラスは、地下にある試射室に向かう。

 完全防音とまではいかないが、屋外には音が漏れない設計になっている。

 よほどでなければ隣近所は気付かないだろう。

 ガラス張りの試射室の脇にはトレーニングマシンがいくつも設置されている。

 地下は敷地全てを余すところなく格闘訓練をするための道場まで造られている。

 上の生活範囲(建物自体)はその半分ほどになる。