クラウ・ソラスの輝き

 元々、感情の起伏があまりないベリルは妬みを抱く者たちから色々と罵倒される事もあった。

 マネキンや戦闘マシンは序の口だ。

 冷徹やら、赤い血は通っていないやら、鉄で出来た心臓やらと彼を怒らせようと必死になるが、それはいつでも虚しく終る。

 ベリルはそう言われても仕方ない、もっともだと初めから理解しているからだ。

 そんな相手に言ったとて無駄に決まっている。

 それは諦めという感情ではなく、自身の生まれにある当然の不自然さをしっかりと見据えているに過ぎない。

 それに嘆き、憤ることになんの意味がある。

 それは私のすべき事ではない。

 そんな事を思い起こし、喉の奥から笑みを絞り出す。

 さすがにダグラスはそうはならないだろうが、踏まれてもただでは起きない者にはなるだろう。

 そんな予想を立ててベリルは再び手を進めた。