──それから少年はシャワーを浴びて寝室に向かう。
車の中で寝ていた事もあり、そんなに眠くはない。
「はあ」
小さく溜息を吐いてベッドに寝ころび、今回の戦闘を反芻(はんすう)する。
ベリルが言う「寝ろ」は体を休めておけという意味だ。
無理に寝ようとすれば返って眠くはならない、眠くなれば勝手に目は閉じるのだから。
自分が思っている以上に精神的にも肉体的にも疲労している事はままある。
平気と思っていても突然、膝がガクリと折れてしばらく立てなくなる事もある。
作戦遂行中にそうなってしまっては全てが水の泡だ。
こういうものは習慣化しておく方がいい。
休める時に休むこと、そうしなければならない理由がある。



