クラウ・ソラスの輝き

「そのデマを流した奴は解ったの?」

「いいや」

 ベリルの瞳が愁いを帯びる。

「結局、解らずじまい?」

「本当なら村を捨てるようにと言いたかったのだがね」

 村の崩壊が目的なら、新たなデマを流す可能性があった。

 嘘の話を流した者の真意は未だ不明だが、村は平穏を保っている事から心配はないだろうと判断した。

 完全な解決を見なかった事で、ベリルは撤退したあともしばらく村を気に懸けていた。

「流した奴がやりすぎたって思ったのかな?」

「どうだろうね」

 これはベリルの予想に過ぎないが、最終的な結論として村人の誰かが発したたわいもない話が一人歩きして膨らみ財宝話になったのだろう。