「村人がそのデマのせいで危険にさらされていると要請があった」

「で、あいつが村を襲ったの?」

「正確にはその中の一人だ」

 財宝を狙っていた者に雇われた数人の傭兵の中にローランドがいた。

 彼らは次々と村を破壊し、このままではきりがないと判断したベリルは村人たちに提案した。

「財宝はすでに見つかっていた」という新しいデマを流すというものだ。

 長老が子どもの頃に聞いた話だという事にして、雀の涙ほどの金品が埋まっていたがすでに誰かの手によって掘り返されていると広めたのである。

 元々、根拠のない財宝話だ、どちらを疑えばいいのか彼らは量りあぐねた。

 そうして、いつまで経っても宝は出てこないこととそんな話とで事態は収束した。