「うむ」

 眉をひそめる少年に説明を続けた。

 護衛の相手はミーナ・マクスウェル十五歳。

 父親は大手外資系の社長を務めている。

 その父の会社がとある企業の買収を計画しているのだが先日、脅迫状が自宅に届けられた。

「その企業を買収したら娘を殺すって? だったら犯人すぐ捕まるんじゃないの?」

「そう思っていたようだが、特定出来ずに捜査は難航しているようだ」

 社員五十人というIT系の会社らしいのだが、全員を洗ってもめぼしい人物が浮上してこない。

「で、その間の護衛を依頼してきたって訳だね」

 ダグラスが解ったように相づちを打つ。