クラウ・ソラスの輝き

「わっ!?」

 ダグラスがニールの肩を思い切り引くと、そのまま少年は後ろに倒れ込んだ。

 刑事たちがニールを急いで保護する。

 ベリルから簡単な格闘術を学んでいるダグラスは男の一人に掴みかかった。

 すぐさま男が持っていたリボルバーに指を滑らせる。

 銃の後方にある撃鉄(げきてつ)の間に指を挟めば、いくら引鉄を引いても撃鉄は動かないので弾は発射されない。

「──っ」

 大きな男を相手にするなら、合気道か!

 撃鉄に指を挟まれながら即座に判断し、力任せに倒そうとする男の力を受け流して地面に転がした。

「がはっ!?」

 男の背中に激痛が走り悶絶する。

 熟練者なら痛みを伴わずに転がす事が可能だが、この場合は激しい痛みに悶えてもらう。

 もっとも、にわかのダグラスにそんな芸当はそもそも出来ない。