ベリルは立ち上がり、準備を始める。

 護衛の仕事は軽い装備でよいため準備も早い。

 そうして、オレンジレッドのピックアップトラックはシドニーを目指した。

 ダグラスは黒のパンツに水色のシャツにグレーのベスト、ベリルはソフトジーンズに白のシャツと青い前開きのシャツを羽織っている。

 先ほどの依頼電話は仲介屋からのものだ。

 ベリルのような傭兵には、仕事を仲介する人間が数人ついている。

 依頼人の中には直接、ベリルの端末にかけてくる者もいるが大抵は仲介役を間に挟む。

「脅迫状?」

 ベリルは移動中の車内でダグラスに詳細を説明した。