その頃、ベリルは倉庫内を見回していた。

 プレハブ小屋と荷物が倉庫内を迷路のようにしているため、戦闘はやや難ありといった所だろうか。

 両者に多数の怪我人が出ているが、ここまでは想定内だ。

 どちらにも被害が出ないという事はあり得ないのだから。

 しかし、ミハエルとベリルは射撃において群を抜いている。

 それを考えればベリル側に武があるのは明らかだ。

 特にベリルは死なない事も相まってか構えが堂々としている。

 とはいえ、痛みは他の人間と同じであるため、銃弾がかするたびに眉を寄せる。

 出来れば当たりたくはない。

「左右に展開」

 聞いたミハエルは他の仲間に散るように指示した。

「C班、二手に分かれて入り口と裏口から牽制」

 後ろにいる敵をそれで黙らせる。