「おい、一体どうなってんだ?」

 不安に声を震わせる。そこへライフルを抱えた仲間が走ってきた。

「警察だ! お前らそのガキ絶対に離すなよ」

 それを聞いた一人がニールに駆け寄り、猫のようにTシャツの襟を掴んだ。

 怯える少年をさらに威嚇するようにぎろりと睨みつけ持ち上げる。

 そうして五人は、それぞれにライフルとリボルバーを構え移動を試みる事にした。

 すでに囲まれている事を知り、ニールを人質に逃げようという考えなのだろう。

 まだ抵抗を見せている仲間もいるらしく、銃声は止む事なく続いていた。