クラウ・ソラスの輝き

「シャーク・メナス」──表向きの会社は「アイゼル運輸会社」という。

 個人から企業まで幅広い荷物を請け負っている。

 入り口の巨大なシャッターが上げられ、頻繁ではないにしてもトラックやフォークリフト、体格の良い男たちが行き交っている。

 しかし、どこか違和感があるとベリルは眉を寄せる。彼らの目が一様に警戒しているように思えたからだ。

 関係のない者がいると厄介だと考えていたベリルだったが、なるほどここにいる者は少なからずほぼ全員が密売には関与しているらしい。

 遠慮はいらないようだとベリルの目が鋭くなる。

 木製のパレットにダンボール箱や木箱がうずたかく積まれている。

 積まれている間隔からして相当、大きな倉庫だと窺えた。

 地図で見るのと実物とは必ず多少の感覚のズレが生じる。

 ベリルはそれを瞬時に照合し全体を推測した。