クラウ・ソラスの輝き

 少年は怯えながらも一切、抵抗しなかった。

 何故なら、

「もし捕まっても絶対に抵抗しちゃだめよ。抵抗したら相手が逆上するかもしれないから。絶対に助けが来るって信じてじっとしてるのがいいんだって」

 そうミーナから聞いた言葉を忠実に守っていた。

 それはダグラスがミーナを安心させるために言った言葉だ。

 抵抗しないのは逃げるための体力を温存するためのものだし、抵抗する事によって常に注視されるのを避けるためでもある。

 少年は逃げ出したい気持ちを必死に抑え、ミーナの言葉を脳裏で何度も繰り返しながら膝の上の拳を強く握りしめた。