ベリルは着信を震えて伝える携帯端末をバックポケットから取り出し通話アイコンをスライドした。 「ベリルだ──そうか。了解した」 「依頼?」 端末を仕舞うベリルを見つめてダグラスが問いかけた。 「護衛だそうだ」 「へえ」 彼の端末にかかってるもののほとんどは仕事の関係だ。 それほど頼りにされているという事なのだが、ダグラスを引き取ってから大きなもの以外は引き受ける依頼を減らしている。 もちろん、子供を一人にするという治安面での事を優先的に考慮してのものだ。