「彼の事はミハエルから聞いていたが──」

 車内のベリルを一瞥する。

「ミハエルの友達?」

「同僚だよ」

 その言葉に少年は少し身構えた。

「どこまで聞いてるの?」

「ん? ああ、安心しろよ。例のことは誰にも言ってないし、これからも言うつもりは無いから」

 それを聞いてホッとする。

 ミハエル捜査官を信用していない訳ではないが、辺り構わずにベリルの不死をバラされてはかなわない。

「どうせ言ったって誰も信じないって」

「そういう問題じゃないよ」

 肩をすくめたフランクに顔をしかめる。

「君はいくつだい?」

「十六だけど」

 それに口笛を鳴らした。

「ちゃんと学校には行ってるよ」

 なんとなく若さに難癖を付けられた気がして軽く睨みを利かせた。