クラウ・ソラスの輝き

「なんで、僕が」

「模擬戦より緊張を持ち実戦より深刻ではないからだ」

 ベリルがボトルにフタをしながら淡々と応える。

「それって──」

 確認するような眼差しのダグラスに薄く笑んだ。

 ダグラスは「お前の失敗では何も変わらない」と暗に示している事をすぐに察した。

 つまりは、

「お前が何かやらかしたとしても修正が利く、だからやりたいようにやれ」という事なのだろう。

 ベリルの表情からそれを察し、少年は一瞬ムッとしたがすぐに笑顔を戻した。

 失敗しなければそれは功績となる。

 自分の判断で仲間がどう動くのかを見る絶好の機会でもあるのだ。