「……ふふ」

 ダグラスは脇に当たる硬い感触に口元を緩めた。

 武器を余分に与えられたという事は、今までよりも戦闘の多い状況を許可してくれるという事なのだろうか。

 これまでは遠いキャンプでの待機か後方支援がほとんどだったけれど。

 自分は十五歳から戦場にいたくせに、なんて不公平なんだと思っていた。

 もちろん、今回の件についての事でもあるのだろう。

 警官を動かさなければならない状況において、最もお互いを知る間柄の二人は連携を密にしなければならない。

 ベリルの動きを全て把握しきれる訳ではないが、多少なりとも解っていると自負している。

 彼の動きを完全に予測出来るほど甘くはないと思っているし、そうでなければベリルが「素晴らしき傭兵」なんて呼ばれるはずがない。