クラウ・ソラスの輝き

 ディエゴは運送会社の運転士だが、彼が勤めていた会社は表向きのものだった。

 社員たちの中から数人を選び出し運び屋の仕事を兼任させ、断れない状況下に置かれた彼らは引き受けざるを得ない。

 拒否したディエゴが良い例だろう。

 しかし、ここにベリルがいた事は相手の誤算だ。

 彼がいなければディエゴは麻薬の運び屋を続けていただろう。

 現に彼は警察に助けを求めるつもりは無かった。

「さて」

 ベリルは本題を切り出すように、持っていたノートパソコンを開いて一同に示す。