少年は力を込めて引き戸を少し開けて顔を覗かせる。
老婆の店は「ダーツ屋」と呼ばれていて、確かな武器を提供している。
「おじゃましま~す」
奥のカウンターでこちらを睨み付けている老婆に小さく会釈し店内に体を滑り込ませた。
話は通っているんだろうとは思うけど、なんとなく及び腰になる。
「ヘッドセットを二十」
老婆の前に行きベリルのカードを見せる。
「あんたがベリルの弟子だね」
「え? うん、そうだけど」
老婆は少年を一瞥し、ゆっくり立ち上がってカウンターの奥に消えた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…