──路肩に車を駐めると、ベリルは少年にカードを手渡す。
「見せるだけで良い、ヘッドセットを二十だ」
「わかった」
頷いて路地裏に入っていく後ろ姿を見送りながら端末を取り出す。
「詳細を頼む」
相手は情報屋のヤンだ。
いま持っている情報だけでは作戦を立てるのは難しい。
「データを送ってくれ」
ひと通りを聞いて通話を切った数秒後、再び端末が震える。
そうして送られてきたデータをカーナビに移動し、映し出された見取り図を眺めて眉を寄せ思案するように小さく唸った。
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