クラウ・ソラスの輝き

「私は傭兵だが、こういう組織とも何度かまみえた事がある」

 男はその言葉に情けなくしおれた顔をベリルに向けた。

「あなたは運が良い。彼がいれば大丈夫ですよ」

 ミハエルが付け加える。

「保証は出来ん」

「頼む! 助けてくれ!」

 ディエゴはベリルにしがみついた。

「それなのだが、私は雇われて仕事をこなす。それには契約が必要だ」

「けっ、契約する! どうすればいいんだっ?」

「相手の規模で変動する。私一人ならおよそ五千オーストラリアドルだが、仲間を要請すれば金額は加算されていく」

「どれくらいなんだ」

 モリスが横から口を挟んだ。

「規模にもよるが最低でも五人、上限はまだ決められん。私以外は一人一万だ」

「五万五千!? そんな大金ある訳が無い!」

 ディエゴは頭を抱えた。

(※作中でのレート:一オーストラリアドル=九十円)