やがて8月になり蒸し暑い日々の中私は窓口業務ではなく外まわりを志望して得意先まわりに忙しい毎日だった。
「しかし暑いな~!」

今まで苦労も知らずに生きてきた試練だった
担当は、飲食店や水商売の顧客まわり
言ってみれば誰も担当したくない業務だ
「野口です、オーナーいました~?」
「ほーい、カウンターに来て~」
「了解です」
奈央ちゃんも大変だな」
「いいえ、仕事ですから」
(^ー^)営業スマイル
オーナーはここ新宿にホストクラブを経営する、泣く子も黙る
チョイ悪な凄腕オーナーだ
「奈央ちゃんが来て良かったよ!」
「何でですか?」
「前さ、冗談通じないようなオッサンだったじゃん。俺、男嫌いだから」
「ハハハ~やだ!オーナーは男に囲まれて仕事してるから?」
「俺さ奈央ちゃん見てるとホッとするんだな」

「何故ですか?」
「うちにもさ奈央ちゃんと同じくらいの息子居るんだよ」

「へぇそうなんですか」

「やべ!時間じゃねーか、ゴメン奈央ちゃん、俺出掛けるわ!話の続きはまたね」

「はい。行ってらっしゃい」
「ズッキュン」
胸に手を当て
「いいね~女に行ってらっしゃいって言われたの久しぶりだな」

「あっ奈央ちゃん後でバカ息子紹介すっから、友達になってやってよ」

「はい!喜んで
営業スマイルで店を出る
そんな感じの毎日を楽しむ奈央だった。