「そっかぁ…じゃあ、俺とはこれが最初で最後かも」彼は小さく呟いた。
「アメリカに行くのって、留学ですか?」
私の問いかけに、彼は一瞬驚いた表情を見せた。
「あ~まぁ…そんな感じ。これでしばらく日本とさよならってわけでさ…そうだ!カシオペアってアメリカからでも見られるの?瑞希先生」
彼の目がいたずらっぽく笑っていた。
私は突然の質問に、言葉を失っていた。
「アメリカからですか?」
「あれ?瑞希先生、まさかわかんないの?」
「だってそんなの急に聞かれても…」
私がうつむいていると、彼は嬉しそうに
「アメリカからだって、星は見られるよ」
と言った。
「そりゃあ時差があるから、日本と同じ時間には見られないけど。空はひとつだし、星もひとつ。離れてたって、同じ星を見つめていられる。どお?これってすごくない?」
私は静かにうなずいた。「そうだよね。」