アハハと笑うユキちゃんに抱きつき、何度も何度もお礼を言う。


 何かあったのかと尋ねられたけど、あれは二人だけの秘密なんだ。


 こうして心配してくれた彼女には悪いけれど……



「時間も無いし、お弁当食べよッ?」


「うん!」


 ユキちゃんと手を繋いで教室へと入る。


 皆がこっちを見ていたのは分かったけど、私は俯かなかった。


 右手にはユキちゃんの温もり――そして背中には彼の温もりが私を支えてくれていたから。