「……これで……夢から覚めないでくれればいいのに」 「――大丈夫だって」 聞こえないように呟いたハズなのに、汰一君は笑顔で頷いている。 「えっ? 何が?」 「これ、現実だから」 私は、きっと今、鳩が豆鉄砲を食らったようなヒドい顔をしていると思う。