朝起きると、いつもと変わらない
景色に。

私が死んだって事実は無くなっている
みたい。

「咲祈、遅刻するわよ」
母さんが言った。

いつもは、黙って聞き流す、
毎日の日課みたいな言葉。

「はい。」

一言だけ、言ってみた。