向こうからは声すら聞こえない。 俺はひたすら黙って、待ち続けた。 五分、十分、十五分…… 君は出てこない。 やっぱり、もっと早く気づくべきだったんだ。 やっぱり俺は、最低だったんだ。 また明日も来よう、と思って、帰ろうとしたときだった。 ドアが開いた。