桜の見える丘(仮)


「そんなの…反則でしょ…。」


赤くなった顔を隠すように、その場で小さくなる。


でも…私は素直に気持ち…言えてるだろうか?


言わなきゃいけないことも言えてないんじゃないだろうか…?


言葉にしないと伝わらないことばかりなのに…。


言わなきゃ…!ちゃんと思ったこと!


―――ダムッダムッ


ドリブルする音が響き、再び部員たちの集中が痛いほど伝わってくる。


だけど…なんだかさっきと様子が違う人が一人…。


「おいっ、俊!!!何してんだ!!!」


「すいません…。」


そう…。なぜか、神谷の様子がすごくおかしい。


さっきまではあんなにすごいプレイをしていたのに…。


シュートはミスするし、パスコースが違っていたり…。


おまけにスティールまでされて…。


なんか…さっきの神谷らしくない。


柏木君が神谷にかけより、何か声をかけている。


さすが!ずっと今まで過ごしてきただけはあるね。