桜の見える丘(仮)


キレイな階段を上がって行くと目の前にドアが現れる。


そのドアを開けると、体育館全面が目の前に広がる。


そこには、真剣な顔をして練習をしているバスケ部員たち。


とりあえず中に入り最前列の端にちょこん、と座る。


「オイッ!!そこしっかりしろ!!!!」


先生の怒鳴り声が響く。


『オーエイッ、オーーエイッ!!』


練習の掛け声が一層大きくなる。


キュッキュッ―――


体育館の床とバッシュがすれる音。


初めて見た練習風景は…鳥肌が立つほどすごかった。


ボールを体の一部のように操り、身軽に人をかわす。


そして、ゴールのネットがパサッ…と音を立てる。


バスケ部員の中でも輝いて見える…神谷。


「すごい…。」


あまりの驚きに自然にその場に立っていた。


「5分休憩ー!!」


「ハイッ!!」


キャプテンと思われる人の掛け声で皆の集中が緩む。