私の必死さに少し目を大きく開いてこちらを見る神谷。
「安心して!!別れたって言っても表だけなんだし。私は…神谷以外好きに…なっ、ならないから…。」
自分でもよくわかんないけど…すごく恥ずかしいこと言ってると思う。
そのことを自覚して、顔にかぁぁぁと熱が集まる。
「ッブ…!!アッハハハハ!!ありがとな。応援楽しみにしてるわ。お前の応援に負けないように俺ももっと強くなんねぇとな…。学校では先輩の目が気になるから相手してやれねぇし…冷たい態度とるかもしれねぇけど…。」
「いいよ!そんなの。怒られるのは神谷だし…私もなるべく見ないようにするから。」
自分で大丈夫とか言いながら…やっぱ寂しい。
ふぅ…と神谷にばれないように下を向いてため息をこぼす。
そんな私に神谷は気を遣ったのか…頭を優しくなでる。
その手は私の顎まで来て…クイッと神谷の顔がある方に向けられた。
そして…暗くなった道で…神谷は私にやさしいキスをした。
唇が少し触れるほどの。
すぐに顔を離した神谷は私の耳元で言葉を残し、ニヤッと意地悪な笑顔をして歩き始める。
私は…手で唇をゆっくりなぞる。
まだ、神谷の熱がここに残っていた。
私はつい…フフっと笑ってしまう。
自分で冷たい態度とるって言ってたくせに…。
『俺が好きになるのもお前だけだ』って…。
大事にされてることを実感して…つい笑顔になってしまう。
