桜の見える丘(仮)


それは…


―――――――――彼女に別れを告げる


ということ。


先輩は『この決まりのことは誰にも言うな?彼女にもだ。』って言ったから。


どうやって理由つけて別れればいいかわかんねぇし…。


まず、別れたくないのに別れ告げるとかまじで辛い。


練習終わった後…2人で肩を落として…悩んで帰った。


――――――――――――・・・



「んで、その次の日にお前に別れを告げた。これが全部だ。」


「………。」


私は何も言えなかった。


だって…だって……っ!!!


「おい。なんとか言えよ。」


「ムカツクゥ!!!!!!!!!!」


いきなり大きな声で叫んだ私にビクッとびっくりした神谷。


なによ…なによなによ!!!!


あの先輩…まじムカつく!!!


悪いの全部あいつじゃん!!!!神谷悪くないじゃん!!!


でも、ちょっと難しい条件出しすぎじゃない…?自分で出しといて。


怒りをどこにぶつけたらいいのかわからず…むしゃくしゃする。


「神谷。もう…絶対勝ってね!!!私、応援行くし。もう、めちゃくちゃ応援してやるんだから!!!」