桜の見える丘(仮)


「なんだ?テニス部にでも彼女がいんのか…?」


なにか悪いことを思いついたような顔をして俺の方をちらっと見る。


「あ…いや別に。そーゆー訳じゃないっすけど…。」


「嘘ついてんじゃねぇよ。おい、柏木呼んで来い!!」


「あ…はいっ!!」


近くを通った部員を呼びつけて雅人を呼びやがった。


……何考えてんだ…?


「なんすか?」


少し走ってきた雅人。


さっき怒られたこともあって…少しビクビクしているようだ。


休憩が終わって練習を再開しているから邪魔だと端っこに集められた俺達。


「お前ら。彼女いるんだろ。」


……はぁ?いきなりなんだよ。


「嘘つくな。正直に言え。」


俺と雅人は『言うしかねぇか…』とアイコンタクトをして…


「はい…。」


と、答えた。


「そうかー。んで、彼女はテニス部だと言うことだな。」


俺の方を見て言うけど…だからなんだよって感じだ。


正直、プライベートなこと聞いてんじゃねぇよとか思うけど…。


怒られんのがめんどくさいからあえて何も言わない。