桜の見える丘(仮)


休憩になったのか、ぞろぞろと部員がこちらに近づいてくる。


体育館のドアの近くを荷物置き場にしてるから。


あいつは他の部員の奴と楽しそうに話している。


まだ、俺の視線には気付いてないみたいだけどさ。


…………。


まだ気付かない。


ゲラゲラとその友達と爆笑している。


…………。


「おいっ!!いい加減気付けよ!!アホ!」


あ……つい、言ってしまった…。


テニス部員の視線が全部俺に来る。


ついでに…バスケ部員の視線も…。


…ッチ。まじだる…。


あいつはあいつで俺の声に反応してこっちを見たものの…すぐ逸らしやがった。


それに、外みてさぼってるのがばれて怒られるし…まじだりぃわ…。


「お前さー…、1年のくせにレギュラーなんだぜ?それぐらいの自覚もてよ。補欠の部員だってな必死に頑張ってんだよ。それなのに、レギュラーだから平気だと思ってさぼってんだろ?ふざけんなよ。」