桜の見える丘(仮)


神谷は私に別れを告げたその前日の出来事を話しだした。



――――――――――・・・


『オーエイッ!オーエイッ!』


俺は、いつものように熱心に部活に打ち込んでいた。


んまぁ…ときどき涼むふりをしてドアの近くに行き、すぐ近くで部活をしているあいつの姿を見ていた。


俺は堂々とそんなことできねぇから…ちょっと演技して行ってるけどさ。


雅人すげぇよ。


どんだけ堂々と矢田と話してんだ…!?


バカだろ…。まじ反省しねぇよな。


毎回先輩に怒られてるし…まじで阿保…。


あいつが怒られている間俺は外をずっと眺める。


一生懸命に頑張ってるあいつをみて…俺もがんばろうって思うんだ。


必死に走って、ボールを追いかけて…。


テニスって結構しんどいもんなんだな…。


いや…あいつが運動音痴だからしんどそうに見えるだけか…?


日頃、そんなに出さない声を必死に出して頑張っている。


『お願いしますっ!!……はいっ!!…はいっ!!ありがとうございましたっ!!』


パコーン…パコーン…とボールが打たれる音。


汗をかきながらがんばるあいつ。


夏が終わって…秋になりかけって言ってもまだ結構暑い。