桜の見える丘(仮)


「いや…今さっき手紙に気付いたって言うか…。あはは…。」


「まぁいいよ。今の方が話しやすいしな。」


「……?」


「とりあえず帰るか。歩きながら話すわ。」


門を出て、無言で歩く私たち…。


歩きながら話すって言ったくせに…何もしゃべんないし。


ハァ…とため息がでる。


すると、なにか決心したのか神谷が話しだした。


「あのさ…、ほんとは言っちゃいけないことなんだけどさ…俺、お前を不安にさせてるの嫌だし…。傷つけるようなことしたくないから…。言っとくわ。」


「……。」


私は何も言わず静かに神谷の話を聞く。


「バスケ部の決まりのこと。どーせ、美姫のことだし気になって仕方ないんだろうなーって思うし。」


と…私の方をチラッと見る。


な…なんでわかってんのよっ!!!


「そ…そんなことないよ?全然気にならない!!」


ハッ!!私はなんてことを言ってしまったんだ…!!


そんなこと思ってないのに…つい『図星だろ?』と言わんばかりのあの目のせいで…。


強がり言ってしまった…。


「あー、はいはい。気になって仕方ないんだろ。わかってるって。」


子供を相手にするかのように頭をポンポンとする。