でも、ちゃんと理由を聞かなくっちゃ!!
「いや…この前は冷静さを失って、文句言って帰っちゃってごめんなさい…。」
「………。」
神谷は何も言わず静かに聞いている。
「それで…あの時はすぐ理解できなくて…あんなこと言っちゃったけど…。いったん…別れる。」
「……え?」
自分から別れを告げてきたくせに。
私が素直に別れるって言ったら驚きやがった。
「私…神谷が私をまだ好きだって言ってくれた言葉信じて別れる。だって…なにか理由があるんでしょ?だから…見た目は別れてるけど…ほんとは付き合ってるんだよ!!って感じで!!」
「美姫…。まじでごめんな。そんなの、当たり前だろ!!!まじで別れるなんて少しも思ってねぇから。あのときは不安にさせてごめんな…。」
座ってる私に目線を合わせてかがんだ神谷。
そして、私の頭をポンポンとした。
いつもは上にある目線が同じ位置にくると、なんかドキっとする。
大きな手が…私の後頭部に回り、神谷の方にグッと寄せられる。
私はその力のせいで自分から神谷の顔に近づいたようになって…恥ずかしくなる。
そして…神谷は私の耳元で囁いた。
きっと…ばれたら困ることだったんだろうな。
少し周りを気にしながら言ったんだ。